コンテンツマーケティングについての良書『商品を売るな』読了後学びメモ
まもなく2014年も終わりが近くなり2015年にどんなトレンドが来るのか考える際、ここ数ヶ月とても注目し、目にすることも多かった「コンテンツマーケティング」というテーマがあります。そんな注目のテーマについて、急成長ベンチャーとして注目を浴びているイノーバCEO宗像淳さん(@sunaomunakata)が初の単著『商品を売るな』(日経BP)を執筆・発売されたとのこと、Kindleでさっそくにダウンロードして読了しました。
国内ではまだ定義、具体的なイメージがつきにくく、実践に尻込みする人もまだ多い中、「コンテンツマーケティングが注目されている背景、意義、国内外の事例、具体的な取り組みへの最初の一歩」がコンパクトにまとめられていて、マーケティングに関わる方にとっては必読書になるのではないかと思います。海外では近年以下のような勢いで「content marketing」への注目が集まっています。
宗像さんが以前から提唱されている「日本の中小企業を助けるためにマーケティングの会社を作りempowerしたい(力を与えたい)」のビジョンを実現すべく、多くの中小企業で働く人、そして起業を考える個人、社会にインパクトを与えたいと思っている非営利団体・市民セクターの方にも幅広く読まれるであろう(読まれるべき)一冊なのではないかと思います。
思い起こすと宗像さんとオンライン上でやりとりしたのは自分の独立直後の2010年秋、友人・周囲からはやや「マニアック」と呼ばれて続けていた自分のブログ(www.socialcompany.org)にコメントを残してくださったことで生まれたご縁です。宗像さんも起業前後の頃で、海外の事例を丁寧に分析しながら最先端の「マーケティングトレンド」を切り口にブログを継続的に執筆され、確か一時期は毎週2回、渋谷で早朝勉強会を無償で実施し続けるなど、惜しみなく良質コンテンツを提供することでご自身のビジョンを実現されるために走ってこられていました。そんな姿にたくさんの信頼感と尊敬の念を抱くようになっていたのは、まさにコンテンツマーケティングを実践されていたからなのですね:)
昨年末からは資金調達をされ、社員数も70名(契約・業務委託のスタッフの方含む)を超え、大きなオフィスにも移転され、そして今回の書籍の出版と、めまぐるしい成長の軌跡でついていけないほどです。宗像さんが信じていた「コンテンツマーケティング」が国内での市場でも求められるようになり、そして疾走しながらビジョンに向かって走ってきた宗像さんと熱気あふれるイノーバチームのみなさんが作り出すサービス・プロダクトがあればこその成果だと思います。
そんなこともあり、9月上旬にイノーバさん初の自社サービスとしてのコンテンツ・マネジメントシステム「Cloud CMO」がリリースされた際には、リリース当日に契約させてもらったほどです:)現在導入のための最終調整中で年内には新たにツールを活用させてもらいながら自分なりのコンンテンツマーケティングを実践させてもらうこと、とても楽しみにしています。(書籍の中ではこのサービスに一言も触れていないところがニクいですね:))
さて、少し書籍について印象に残っている点についていくつか触れてみたいと思います。
・冒頭チャプター1の「商品を売らない8つの理由」はいろいろなところで紹介されているコンテンツマーケティングを理解するための基礎的な情報が豊富な資料・グラフ、海外の事例・トレンド紹介も含めながら丁寧に紹介されています。時間のない方はこのページを立ち読みされるだけでも少し刺激を受けるのではないかと思います。その8つの項目はこちらです:)
1: 広告宣伝費を抑えられる
2: オピニオンリーダーになれる
3: 顧客に嫌われない
4: 顧客とのコミュニケーションが生まれる
5: 顧客のロイヤリティが高められる
6: ターゲットが絞り込みやすくなる
7: 情報を自然に拡散できる
8: 顧客の反応が検証しやすくなる
チャプター2では国内事例が6つ、海外事例が7つ、 B2C、B2B、業界規模もジャンルも豊富にあるのでいろいろなヒントや気づきが得られるのではないかと思います。それぞれが見開きで、また書籍全体としてレイアウトが綺麗で数ページごとにまとまって読みやすい文章で書かれているのでストンと内容が落ちてくることと思います。
最終章のどう実践するかに関してはどちらかというとやや基本的な説明が多く、初めの一歩を知りたい方には分かりやすいものの、既にある程度実践している人にとっては少し物足りないと感じる部分があるかもしれません(あとがきにも「もっと具体的なノウハウを詰め込みたかったが、全体像を紹介するにとどめた。弊社ウェブサイトや今後発刊予定の書籍で発信していきたい」とのこと)。
効果検証するためのおすすめツール、ソーシャルメディアで共有する際の具体的な戦術的なノウハウなどはきっとたくさんのノウハウがあると思います、この辺は今後の情報発信に期待すると同時に、過去のイノーバさんのブログに惜しみなく紹介されているのでぜひチェックしてみてください:)
その上で個人的に気になった点、アイディア喚起された点が3つあります。
【1】2015年、コンテンツマーケティングが広がっていく中で、「デジタル・ストーリー・テリング」「読者開発(audience development)」などの視点が重要性を増し、これらは今日に至るまで成長が進んでいるソーシャルメディアの活用が当たり前になり、より成熟した活用が求められる。
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・コンテンツマーケティング分野の注目企業、Contently共同創業者Shane Snowさんの新刊、『SmartCuts』が示すライフハッキング
・ニューヨークタイムズ改革内部文書に込められている「PageOne至上主義」から「デジタル・ファースト」への意識改革の必要性
【2】コンテンツをきっかけに企業・サービス・ブランド・個人に興味を持ってくれた人がその後も継続してコミュニティとして関係性を持とうとする際、コミュニティ運営、コミュニティマネージャーの役割がより大切になる。
関連過去記事
・コミュニティマネージャー・ミートアップ、開催しました – [使用スライド共有]
【3】改めて自分自身も以前から興味を持っていたテーマ「Social Media for Social Good」「社会をちょっとよくできるような海外の良質な情報・トレンド・ツールなどの情報をタイムリーに日本の文脈に併せる形で伝える」に取り組んでみたい、という想いを新たにしました。Cloud CMOの利用開始、楽しみにしています:)
コンテンツマーケティングは海外ではもはや当たり前のようになりつつあり、コカコーラ、GE, Microsoftなどなど、実践例は豊富にあります(The invasion of corporate news – FT.com – http://on.ft.com/1s3w8lD)。一時期Facebookページでいいねを大量に獲得して話題になったことがやや懐かしく思い出されますが、そうしたツールも活用しながら本質的な意味での成熟したマーケティングの取り組みが大企業のみならず中小企業、NPO・個人にも広がっていくことと思います。『商品を売るな』がそんな試みの際の道標として多くの方に「活用」されること願ってます。宗像さん、執筆お疲れ様でした。ベストセラー筆者:) 、おめでとうございます:)!
市川裕康
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