問われるコーズ・リレーテッド・マーケティング / ソーシャル・マーケティングの意義
ツイッター上で目に入った以下の一言が気になり、備忘録も兼ねて、自らに問いかけてみたいと思います。
『岐路に立つ「1L for 10L」、売上高減少でも続行』(オルタナ News 11/22/2010)

ボルヴィック社による「1L for 10L」プログラムは、日本国内でコーズ・リレーテッド・マーケティング、
或いはソーシャル・マーケティングの説明をする際、必ずと言っていいほど登場する代表事例です。
*「コーズ・リレーテッド・マーケティング(CRM)」とは、 企業の社会問題や環境問題などへの積極的な
取り組みを対外的にアピールすることで消費者の興味を喚起し、売上や利益の獲得を目指すマーケティング
手法として近年注目されている手法です。詳細は記事に中でこう説明されています。
今年で4年目を同プログラムは、製品の購入だけでなく、ツイッターやブログからでも支援に参加できる
「Twitter & Blog for 10L」を実施した。ツイッターでは1フォローごと、ブログではブログシールが貼ら
れた1記事ごとに、10リットル供給される、というもの。
以下のとおり、非常に意義深い貢献をされていて、とても共感を持ち、今までに多くの方にキャンペーンのことをお話しました。
今後10年間でアフリカのマリ共和国に供給される水の総量が4億5101万3110リットル(ツイッターとブログからの供給量67280リットル含む)に達したことを発表した。キャンペーンの対象期間は、2010年6月から8月末までの3カ月間で、2700万円がユニセフに寄付される。
ただ、以下の情報は驚きに値するものでした。
2010年のキャンペーン期間中の売上は、前年比89%と厳しい。プロジェクトを開始した07年は、前年比31%増、08年はそれに上乗せして12%の伸びを見せたが、09年からは減少傾向にある。日本ミネラルウォーター協会(東京・新宿)の調査によると、07年をピークに、ミネラルウオーターの輸入ブランドの売上シェアは落ち込んでいる。
(中略)
ダノンウォーターズオブジャパン・ボルヴィック「1L for 10L」プログラム・プロジェクトリーダーの大塚竜太氏は、「ダノングループでは支援の持続性を重視し、そのため売り上げの一部を寄付するという形態をとっている。そうすることで、該当年度の予算の大小にかかわらず、継続的な展開が可能になる」と現状を説明する。売上の増減にかかわらず、2011年も「1L for 10L」プログラムを展開するという。
つまり、「2010年のキャンペーン期間中の売上は前年比89%」で減少しながらも、2011年もプログラムは継続する、とのことです。
機運として高まるコーズ・リレーテッド・マーケティングが継続される意思は尊敬しつつも、果たしてダノンウォーターズオブジャパン、親会社、親会社の投資家、提携先企業等関係者にとってはどのように映るのでしょうか?
日本におけるミネラルウォーターの市場規模の推移&予測は以下のような調査結果が示すように、市場が縮小してしまっている、という背景も見逃すことが出来ない事実だと思います。

コーズ・リレーテッド・マーケティングの代表事例として是非いずれ利益を出し、成功してほしい、と応援したい気持ちを持つのと同時に、アメリカの「コーズ・リレーテッド・マーケティングの母」と呼ばれるキャロル・コーン氏が先日寄稿記事で指摘していた言葉を思い出します。 先日書いた記事の中で引用したUSA Today(11/4の記事より)
「我々が知っているコーズ・マーケティングは死んだ」(Carol Cone to corporate America: ‘Cause marketing is dead (as we know it)’) USA Today 11/4/2010
経営の視点を持ち、全社的な試みとして取り組むことを推奨しているのですが、改めてこの言葉に含まれていることを考え直して見たいと思います。そしてもう一度コーズ・リレーテッド・マーケティングについて、そもそも考えてみたいと思います。
このテーマに関して過去に書いた記事
『母親世代の92%が「社会・環境にいいことを支援する商品」を購入希望~米調査』
『新興国市場で拡がる「社会貢献消費」、日本は最下位~米PR会社調査より』