社会起業業界過去10年間の10大イベント by Change.org
by Nathaniel Whittemore

2009年も残すところあと2日余り、いろいろと振り返ることも多いですが、以下の記事、過去10年を振り返る、という点で非常に興味深かったので、要旨のみ簡単に訳してみました。「新しい働き方のスタイル」というテーマで不定期更新のこのブログですが、いつも読んでくださっている方、初めて目にしていただいた方含め、有難うございます。

来年はTwitterを始め、Facebook、Youtbe、Ustream等のソーシャルメディアツールの影響力がますます大きくなり、このブログ、メルマガ、そしてツイッターも試行錯誤で進めていくことになりますが、どうぞお付き合いいただければ幸いです:-)

では、以下はこの夏サンフランシスコで出会ったナサニエルさん(change.org ライター)の独断で選んだ社会起業家「業界」の過去10年を振り返ったベスト10リストです。日本国内でも「社会起業家」という言葉、働き方含め、マスコミ等でも非常に話題になった一年でしたが、来年は更に発展させていきたいですね。目の前のことからひとつひとつ、役割果たしていきましょう♪

【10】ホワイトハウスでの「オフィス・オブ・ソーシャルイノベーション」設立 (April 2009)
5000万ドル(約45億円)の予算を確保した上で「ソーシャル・イノベーション・ファンド」が設立され、2010年以降、社会問題を解決するための団体に対して助成が行われることになっている。

【9】スタンフォード・ソーシャル・イノベーション・レビュー創刊 (Spring 2003)
2000年代において多くの大学、MBAプログラムで「社会起業家」を扱うプログラムが創設されたが、その中でスタンフォード・ソーシャル・イノベーション・レビュー(SSIR)の創刊は代表的なものといえる。

【8】ソーシャルイノベーターの会議、「Pop!Tech」 (2003) や「TED」 (June 2006)の無料動画提供開始
「社会起業家」という言葉に含まれる要素が多様化し、定義があいまいになるなかで、「Pop!Tech」 や「TED」のような会議には、アート、科学、宗教等、分野を超えたイノベーターが集う会議として以前から一部の人には知られている会議だった。 世界トップレベルの社会イノベーターによるプレゼンテーションをインターネット上での無料閲覧を可能にしたことで、インスピレーションが何千万人という人に広がり、その効果は計り知れない。

【7】ユニリーバ社による「Ben & Jerry’s」買収 (April 2000)、キャドバリー社のフェアトレードへのシフト (March 2009)
ユニリーバ社の「Ben & Jerry’s」買収時に約束された、「社会貢献的な要素を維持する」ことは残念ながら実現されなかったが、その後、キャドバリー社が世界的なチョコレートブランドとして初めてのフェアトレード認証チョコレートの市場導入を発表。クラフト社によるキャドバリー買収が話題になる中、社会的企業へのエグジットという道が今後どうなるか、業界の今後を占う上でも重要なテーマになるだろう。

【6】iPhone登場 (June 2007)
アップル、そしてソーシャルメディア等に関しどう思うかは議論の余地はあるものの、iPhoneは個人の所有する電子デバイスとしてとてもパワフルなものであることは疑いない。現代版スイス・アーミーナイフとして、10万以上のアプリケーションが利用可能で、手のひらのデバイスを通じて情報を探したり、アフリカの難民支援のための活動までもが可能だ。またiphoneを通じてコミュニケーションの取り方が発展し、集合知、そして集団的な活動が促進されることは間違いなく。こうした動きはまだ始りに過ぎない。

【5】ティーチ・フォー・アメリカが人気就職先トップランクに (May 2009)
昨年、3万人以上のトップスクール卒の大学生を選考で落とし、全アイビーリーグ卒業生の11%(イェール大の16%含む)からの応募を受け付け、ブラウン大学、ジョージタウン大学、シカゴ大学等含む10数校の有名大卒業生の最も多い雇用主だった団体は・・・・・ゴールドマン・サックスでもマッキンゼーでもなく、教育系NPO「ティーチ・フォー・アメリカ(TFA)」だった。TFAはまだ完璧ではなく、改善すべき点はあるものの、次世代のリーダーをこの分野で育成するという目標において、大きな規模、スケール感を持って成功を収めた事例のひとつといえる。

【4】リーマン・ブラザーズの破綻 (September 2008) 、ソーシャル・キャピタルマーケットカンファレンス(SOCAP)開催 (October 2008)

未曾有の世界的経済危機の象徴としてのリーマン・ブラザーズ破綻の直後に開催され、今年2度目の開催を見たソーシャル・キャピタルマーケットカンファレンス(SOCAP)は、金融機関を含む民間企業、多くの起業家、社会起業家の参加を見て、セクター間の融合を実現、資本主義の在り方を問う貴重な場所を提供した。

【3】ムハマド・ユヌス氏(グラミンバンク)のノーベル平和賞受賞 (October 2006) 、kiva.org創設 (March 2005)
どの業界にも輝ける象徴的なヒーローが必要なように、ムハマド・ユヌス氏がノーベル平和賞を受賞したことは多くの人にとって「社会起業家」という言葉を知らしめるきっかけとなり、「ソーシャルビジネス」という言葉も広く知られるようになった。また、ユヌス氏に触発され、彼のの功績を更に広く知らしめたものとして、インターネットを利用して途上国の起業家への融資を可能にしたkiva.orgがある。kivaは既に1億ドル(約90億円)を超える規模の融資を実現し、同時に「Vittana」, 「Samasource」, 「Change.org」等に代表されるような、オンラインを利用した社会変革のプラットフォームの登場に道を切り開いた。

【2】デービッド・ボーンスティン「”How To Change The World”(邦題:「世界を変える人たち」)」出版 (February 2004)
社会起業家を題材にした書籍は数多くあるものの、アメリカの大学生、若い世代の多くがこの本を通じて「社会起業家」という働き方に興味を持ったといえる。あらゆるムーブメントがメインストリームに移行する際書籍が必要なように、この本の果たした、そしてこれから果たす役割は大きいといえる。

【1】eBay によるIPO (September 1998)
投資情報専門誌「バロンズ」において、先日発表された篤志家(フィランソロフィスト)ランキングの1位、2位に選ばれたのは、ピエール・オメディア氏(eBay創業者)、ジェフ・スコール氏(eBay最初の従業員)だった。オンライン・オークションサイト大手としてeBayのIPOを1998年に果たした際、彼らが得た巨額の上場益を社会起業家的な業界の礎を築くために多くの投資をした貢献は非常に大きいものがある。10億ドル(約900億円)以上をつぎ込んで設立したスコール財団は、スコール・ワールド・フォーラム等、社会起業家支援のための様々な試みを行い、また気候変動問題に警鐘を鳴らしたアル・ゴア元副大統領の「不都合な真実」等の社会的な映画製作を行う会社、「パーティシパント・メディア」もスコール氏の支援により設立された。

なお、補足として社会起業家中間支援組織としての「アショカ」、「エコーイング・グリーン」も挙げられる。特定の大きな出来事・イベントはないものの、すべての人がチェンジメーカーである、と謳い業界の声として世界中の社会起業家を支援してきた「アショカ」、そして多くの若手社会起業家、イノベーターに投資を行っている「エコーイング・グリーン」は80年代から重要な役割を果たし、21世紀においても欠かせない役割を果たすことが期待されている。

更に補足として「chronology of social enterprise」というPDFにまとめられた資料にはより包括的な社会起業業界の歩みが記されているので、興味のある方はご参照ください。

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