アーカイブ

2009 年 9 月 のアーカイブ

「dotsub-全てのビデオをあらゆる言語で」~マス・コラボレーションで言葉の壁を乗り越えられるか

2009 年 9 月 25 日 コメントはありません

最近はTwitterの利用が激しく拡大しているような印象ですが、同時に見逃せないのがビデオ・動画の力・・・。文字情報が氾濫する中で、動画は簡単に見ることができ、多くの情報がそこに含まれているため、ついつい動画がついていたらそちらを覗いてしまう自分がいます。

TEDと呼ばれる世界のイノベーターが集まる会議ではプレゼンテーションの多くをオンラインで閲覧可能にし、ここ数年で一気に知名度を挙げたメディアとなっていたり、口コミで何百万人もの人が世界中で閲覧される、ということも少し前に話題になったスーザン・ボイルさん、ビザのCMでも採用されたマットさんの例を挙げるまでもなく、一般的になってきていますね。

ただ、そんな世界の中の一大センセーションを巻き起こす動画があった際、「英語」という言語の壁があることで日本という国がすっぽり情報から取り残されてしまったり、ガラパゴス化してしまったら・・・・すごく残念だなぁ、ということを折に触れて、ここ数年感じることがありました。

そんな懸念を全て解決してくれるわけではないけれど、大きな可能性を感じるツールに改めて今回アメリカ滞在中に出会うことができました。「dotsub.com – any video any language」というツールです。

dotsub

いわゆるソーシャル・トランスレーションと呼ばれる、世界中のボランティア翻訳者により、いつでもどこでも簡単に翻訳作業ができるためのオンラインプラットフォームです。Youtubeとウィキペディアを併せたようなもので、さくさくと簡単に翻訳をつけることが可能です。

誰かが勝手にやってくれればいいなぁ、という前提で世界中に広がっている現象ではありますが、例えばどうしてもこのコンテンツを日本語に訳したい!と突き動かされた個人や、あるいは企業として、非営利団体として是非このコンテンツを訳したい!という場合には便利なプラットフォームになりそうです。

もちろん、日本語のドキュメンタリー等を英語やアラビア語に訳して世界に発信する、ということも今後広がりそうですね。

偶然にもニューヨークでdotsubの創設者&CEOにお目にかかる機会があったのですが、同社は今まで採算度外視でミッションを感じながらサービスを提供していたが、ここにきて、いろいろな企業からも問い合わせが来ていて、是非世界の多くの人にdotsubを使ってもらいたい、とのことでした。

先日来準備している「ウィキノミクス」共著者を招いてのマス・コラボーレーションに関してのドキュメンタリー映画上映会(10月下旬予定)ですが(NetSquared東京主催)、こちらの動画の翻訳プロジェクトも現在準備を進めているところです。下記はその予告編ですが、まだ協力いただける方を募集中です。我こそは!という方、是非ご連絡頂けたら幸いです。

その他にも先日アップされたばかりのこんな動画も是非日本語化してみたい、と個人的に思ってます♪

タグ:

世界の大都市圏で拡がるコワーキング・スペースというムーブメント

2009 年 9 月 22 日 コメント 1 件

参加から既に3週間が経つSOCAP(Social Capital Market Conference)ですが、少しずつ印象に残っていることを綴っていきたいと思います。

今回は、「世界の大都市圏で拡がるコワーキング・スペースというムーブメント」に関してご紹介。

SOCAPは主に北米地域から800人以上の参加者をひきつけた、社会起業家の祭典のような3日間でしたが、このイベントを仕掛ける上で重要な役割を果たしていたのが 「the HUB」というクリエイティブ・スペース運営会社。会場の脇にカウチを置いたり、ラップトップを持ち込んでブログやTwitterの記事を激しく:-)書いている人が書きやすいような環境が仕掛けられていて、大きな会場の中でひときわサロン的な空間を演出していた会社です。

このthe HUBというのは実はロンドンで4年前に始まったソーシャル・イノベーター、社会起業家向けの協業オフィスとして始められ、今ではヨーロッパを中心に世界18都市にスペースを持ち、会員も4000人までに急速に広がっているとのことです。

今までもエグゼクティブ・オフィス、インキュベーションオフィス、レンタル・オフィスというような形でスペースの共同利用はあったものの、この「コワーキングスペース」の特徴は、電源、コーヒー、ワイヤレス等の基本的な設備はもちろんのこと、コミュニテによるシナジーを大切にし、定期的なイベント開催、メンターサポート、法的支援等も得られるところにあります。
the HUB Bay Area

今回SOCAPの開催に合わせてアメリカで初めてのthe HUBがUCバークレーのキャンパスのすぐ近く(駅から3分)に開設されました*詳細のプレスリリースはこちら

偶然にも全米にthe Hubを展開することに興味を持っている人が集うレセプションに参加
させてもらったのですが、各地域地域で同様のスペースの必要性を感じ、熱意を持って地域にHubを開設希望する方が40~50人ほど集まり、とても熱気あふれる空間でした。

New Work City
また、New York でも代表的なコワーキングスペースを訪れる機会がありました。
その名も「New Work City」こちらのスペースを運営しているのは20台半ばのトニーさん、どうしてこのようなスペースを運営するに至ったかを伺ったところ、時代の大きな流れの中で、9時から5時まで、電車に乗って物理的に会社にいなければならない、という働き方に若くして「疑問」を感じ、フリーエージェント、社会起業家が集まるような場所が必要なのではないか、という想いを持ち、資金もないなか、支援者を集め、開設にこぎつけたとのことでした。ニューヨーク、サンフランシスコ、ロンドン等、世界の大きな都市では20~30の同様のコワーキング・スペースが既にあり、拡大しつつ、あり、いろいろな人の働き方の多様化とあわせ、この「ムーブメント」はきっと拡がっていくと思う、と力説していました。

さて、東京にこのような「コワーキング・スペース」はあるのでしょうか?或いはそのような
スペースがあれば是非入居してみたい!というニーズはあるのでしょうか。ご存知の方、教えて頂けたら嬉しいです!
個人的にもとても興味のあるテーマですが、興味ある方はこちらのwiki, メーリングリスト等、ご参照下さい。

タグ:

「Apps.gov」アメリカ政府機関向け”アップストア”スタート

2009 年 9 月 22 日 コメントはありません

とても気になるニュースだったので簡単にupdate-。ソーシャルメディア、ITを利用したイノベーション、コスト削減、グリーン化の推進、政府の透明性向上、ということで現在の民主党政権でもきっと取り入れたらいいのでは!、と思ったので。
Obama's social media strategy
いろいろなメディアでも取り上げられているように、オバマ政権はそもそも選挙期間中からソーシャルメディア、ITを最大限活用して国民とのコミュニケーションに成功しているかに見えます。政権発足後、Vivek Kundra氏というチーフ・インフォーメーション・オフィサーをホワイトハウスに迎え、さらにその傾向は加速しています。

今回9月16日に発表されたリリースは、政府機関スタッフ向けにアップルiphone向けに利用されているような”アップストア”を利用可能にしたことです。こちらにアクセスすることで、セキュリティにも十分な配慮をした上で、動画共有サイト「Youtube」, 写真共有サイト「Flicker」、Twitterを利用した動画共有サイト「Twitvid」、簡単にブログサイトを作成できる「WordPress」等のツールを簡単にダウンロード、利用出来ることを可能にしたとのことです。その名も「Apps.gov

実はホワイトハウスは7月末にも「Data.gov」というサービスをリリース、政府のプロジェクトにかかっている実際の投資額、進捗状況等がリアルタイムで閲覧でき、セールスフォース等で見られるような簡単な閲覧画面で分かりやすく国民の税金がどこにどれくらい使われているかが一目で分かる仕組みです。また、秀逸なのは、生の統計データをオープンに公開し、国民一人ひとりがそのデータをエクセルで解析したり、様々なソフトウェアでマッシュアップして、解析したりして、政府に直接フィードバック、提案をすることが可能になっています。

下記、クレイグリスト創業者で有名なクレイグ・ニューマークさんの紹介による、CIO、Vivek Kundraによる「data.gov」の紹介プレゼンテーションが閲覧可能です。

なお、このテーマに関してとても興味深いセミナーを見つけたので共有させて頂きますね。

GLOCOMフォーラム2009 ICT、社会変革、オープンなネット参加 ~オバマ政権の構想と日本の可能性~ *2009年10月20日(火)13:30~17:30 (参加無料)

現在改めて「ウィキノミクス」を読み返しながら、オンラインのマスコラボレーションの可能性に関し、どんなことが今後できるか学習中です。また、「ウィキノミクス」共著者を招き、10月後半に講演会、関連動画「US Now」というドキュメンタリー映画上映会を企画中です。また詳細告知しますが、ご興味ある方、よろしければ是非お気軽にご連絡ください。

タグ:

“社会起業家”&”ソーシャルメディア”、「過熱気味のはやり」と「実態のある変革ムーブメント」のはざまで・・・

2009 年 9 月 19 日 コメント 1 件

昨晩、SFでのソーシャルキャピタルマーケットカンファレンス(SOCAP)への参加、NYでの社会起業・ソーシャルメディア関係の団体・会社訪問の15日の密度濃い旅を終えて帰国しました。

アメリカ滞在中はインターネットアクセスがままならず、ブログもTwitterもろくに書けずじまいでしたが、その代わり、多くの方の好意と、たくさんの思いがけない出会いに恵まれ、海外の社会起業家的なテーマをめぐる動きの一端を見て、聞いて、感じることができました。

旅を通じて何度も自問したり、会う人に聞いた質問は、「ソーシャルアントレプレナーシップ」、「ソーシャルメディア」は多くの人が耳にし、目にし、多くのメディアで話題になっているけれど、この現象は「hype(はやり・過剰宣伝されたもの)」か、それとも「substance(実態のある)」ムーブメントなのか、という問いでした。

もちろん答えはひとつではなく、多くの人が自説を交えながら、それぞれの危惧、そして期待を持って事象を冷静に見ている人が多かったことが印象的でした。*もちろん、SOCAPカンファレンス参加の2日間はやや熱狂的で、テンション高く、自分達が「change the world(世界を変える」気概を持った人が多かったですが:-)。

ただ、今15日間を振り返り、このテーマが「はやり」だから興味がうせたか、というと、逆で、多くの人たちがまだまだこの現象が初期の段階であることを認識しながらも社会をよくしようと思い、それぞれの持ち場で一生懸命に取り組んでいることに刺激を受け、これからももっともっと深堀りしていきたい、という想いが強まる経験でした。

ソーシャルメディアを利用することで情報・人・映像が瞬時に世界をつなぎ、多くの人のコラボレーションを増幅させ、今まで考えられなかったようなイノベーションを低コストで実現している事例の数々に圧巻でした。

今回印象的だった出会いを2つほど・・・。
Change.org / Social Entrepreneurshipのコーナーを担当している著名ブロガー、ナサニエル・ウィトモアーさん

実はこのブログの多くの情報源はこの弱冠25歳の若者が1週間に平均12本もアップする「change.org/social entrepreneurship」の豊富で、スピーディで、そして深い分析に負うところが多い、といっても過言ではありません。彼自身は自身でソフトウェアの会社を経営しつつ、毎朝、毎晩、クオリティの高いブログを書いています。今回初めて会い、共に語り、飲み、ゆっくり彼の考えを聞くことができたことで、こちらのブログでも頻度上げて、そして引き続き彼のブログからの転載もさせてもらいつつ:-)、いずれ日本発での情報を英語で発信していかなければ、と思った次第です。

アメリカ滞在の最後の夜、NYマンハッタンにあるとある財団の勉強会招かれる機会をいただきました。フォード財団、人権団体ウィットネス、著名カンファレンスPopTech!、ジョージ・ソロス氏が創設したオープン・ササイアティ等々、とても刺激的な団体の幹部、ソーシャルメディア、マーケ担当者20名ほどのミーティングで、その日のスピーカーは「
More than Bit Players」というNPO/財団がソーシャルメディアの利用でどう変革するか、というテーマで非常に重要なペーパーを2001年に書いたAndrew Blau氏が、今日的な文脈で改めてソーシャルメディアがNPOや社会貢献活動で果たす役割を語る、というものでした。
まだ平易な言葉でこれらの現象・意味、そして日本のNPO・政治の分野での利用がどのように進んでいくかを語ることは力不足ですが、例えば下記のようなリソースを参照しつつ、またこのテーマに関しては深く追いかけていきたいと思ってます。

【ソーシャルメディアのNPO・政治・社会的な活動への意味づけに関しての参考資料】
More than Bit Players(論文) (Andrew Blau)
How Information Technology Will Change the Ways Nonprofits and Foundations Work and Thrive in the Information Age.

■TED Talk – Clay Shirky: How social media can make history(ソーシャルメディアがどう歴史を作るか。クレイ・シャーキー氏:  日本語字幕付き)

■クルートレイン・マニフェスト (1999年に発売され、ウェブが社会を、マーケティングをどう根本的に変えるかを言い当てた伝説的な本。先日10周年記念本が発売され、話題になっているようです(まだ読んでいる途中)

タグ:

ソーシャル・キャピタル・マーケット・カンファレンス(SOCAP 09)に参加して

2009 年 9 月 6 日 コメント 1 件

今週はサンフランシスコにてソーシャル・キャピタル・マーケット・カンファレンス(SOCAP)09に参加する機会がありました。まずは速報ということでご報告!
SOCAP 09

全部で3日間、参加者約800人、スタッフも入れると1000人以上を超える規模で、海外のいろいろなメディアでも開催前から注目されていて、例えばオンラインメディア大手ハフィントンポストでは世界で最も主要なソーシャル・キャピタル・マーケットに関してのイベントと称され、話題になっていたイベントです。ソーシャルキャピタル投資とは、経済的、社会的、また環境に対しての投資を組み合わせたようなもので、社会起業家、ソーシャル・エンタープライズ、ソーシャル・イノベーションというようなキーワードに関係する投資家、社会起業家、財団、メディア関係者、学生等が北米を中心に世界中から集まってきていて、3日間、本当に密度の濃い議論、ネットワーキング、交流が行われました。英国エコノミストも早速「Capital markets with a conscience」というタイトルで報じています。

キーノートスピーチにはホワイトハウスに新設されたばかりのソーシャルイノベーションオフィスのディレクターが登場、政府と民間だけでは解決できない問題に対して社会起業家、ソーシャルエンタープライズの役割が必要とされてきていることを強調されていたそうです。(あいにく私は台風で飛行機が遅れ初日参加できなかったのですが、いろいろなブログや動画で様子を見ることができます)。

とても一回のブログでは書ききれないほどの気づきや情報、出会いがあったのでまた追々書き綴っていけたら、と思ってますが、まずは終了直後の雑感のみ3点、報告しますね。

【1】社会起業家的な活動、機運、ムーブメントが大きなトレンドとして注目されてきていて、様々なプレイヤーが登場してきていること。

まずは今回2回目を迎えるこの会議に参加費を払い、800人もの人が参加したこと、しかも参加者一人一人が非常に意識が高く、仕事というよりもパッションを持って社会的な課題に取り組んでいる人が多いことに感銘を受けました。ホワイトハウスの担当ディレクターがキーノートとして話をしたという事実も含め、機運の高まり、新しい次元に向かって進んでいっていることが強く示されたイベントでした。

著名な社会起業家に関する組織、例えばアキュメン・ファンド、アショカ財団、ロックフェラー財団、マイクロファイナンスで著名なkiva等のシニアレベルの人の講演等目白押しであることよりも、むしろカフェのエリアでたまたま隣り合わせになった人との何気ない会話ひとつひとつから、みなが情熱をもってそれぞれの活動に取り組んでいる様子を強く感じることができました。

【2】課題としての社会的投資の評価システムの必要性

この点に関しては、今回の会議開催中に「The Global Impact Investing Rating System (GIIRS) (グローバルなインパクト投資の評価システム)」が発表される、ということで注目を浴びてはいたのですが、会議中も一筋縄ではいかない、まだまだ議論が必要とされる大きな課題だと感じました。社会問題をビジネスの手法で解決する「ソーシャルベンチャー」は素晴らしいけれど、そういった事業に投資する際、純粋な経済的リターンと併せ、社会的改善というインパクトも投資リターンとして評価されるべき、という話は分かるものの、明確な基準がなく、評価ができないために投資にも2の足を踏む、というのが現実で、十分に議論についていけなかったのですが、とても抽象的な、ナイーブさを感じる議論も多かったような印象を持ってます(こちらはまた冷静に振り返ってからまた追いかけていきたいテーマです)。

【3】ソーシャル・メディアの力の可能性
SOCAPとして中心的に扱ったテーマではないものの、参加した2日間を通じてあらゆるところでTwitter, SNS, ウェブを利用したソーシャルメディアの可能性を感じされる議論、具体的な試みを感じることができました。

例えば、具体的にありがたいのは会議が終わってまだ2日も経っていないにも関わらず、動画、写真、ブログ、twitter等があらゆるところでアクセスすることができて、会議に参加してないにも関わらずあたかも参加したような気になれるくらい、リアルタイムでの情報の共有・コラボレーションが可能になっている点が挙げられます。また社会起業家のためのグローバルなデータベースとしての「社会起業家API」というものも会議期間中に発表され、世界中の社会起業家をインデックス化して効率的に協業できるオンラインプラットフォーム等も新たに登場しました。

【動画】
http://www.youtube.com/user/SocialCapitalMarkets
【写真】
http://www.flickr.com/groups/socialcapitalmarkets
【twitter】→その他ブログポスト等への豊富なリンクが簡単に見つけられます。
http://twitter.com/#search?q=%23SoCap09

その他まだまだ伝えたいことはあるのですが、取り急ぎご報告までに!

タグ: