アーカイブ

2009 年 6 月 のアーカイブ

社会起業家にとってブル・マーケットな時代(ビジネス・ウィーク)

2009 年 6 月 13 日 コメントはありません

ビジネスウィークの今週の記事が非常に興味深かったのでご紹介

「A Bull Market in Social Entrepreneurs」(Business Week, 6/10/2009)
*社会起業家にとってブル・マーケットな時代、とのことで、ブル・マーケットとは、金融・マーケット用語で、Bull(雄牛)の姿から由来、相場の上昇が続いているマーケット(市場)のことを指し、「強気相場」とも。

この記事はスタンフォード大学の今年の卒業生にスポットライトを当て、従来であればIT,金融、コンサルに就職、高給を期待していた世代も、ここ最近の不況を受け、カルフォルニアの失業率が前年比2の水準の10.9%という状況の中で、社会起業家的なキャリアを志向する人が非常に多く、グローバルなレベルで大志を抱いた人が続出している、という記事でした。

スタンフォード大学で行われた社会起業関連のビジネスプランコンペ「Social E-Challenge」には112ものチームがエントリーされ、アショカ財団やスコール財団なども支援のためのネットワーク拡大を進めているそうです。かつてスタンフォード学生ががグーグルやヤフーを創業したように、今では途上国に対するインターネットを利用したマイクロファイナンスの団体「kiva.org」を創業した卒業生を始め、学校としての力を入れている様子です。

その中の1人、スタンフォード大学の4年生のJosh Nesbitさんが起業した「 FrontlineSMS: Medic」はとてもユニークで注目に値するプロジェクトを進めています。
Frontline SMS: Medic

このプロジェクトはアフリカ地域にある病院において、診療データを早く、安価に、確実に管理するために、中古の携帯と、オープンソースの無料のソフトウェアを利用することで、変革を起している会社です。創業者のNesbitさんはスタンフォードのキャンパスにいながらアフリカ現地の病院、アフリカ20カ国ののヘルスケア担当の大臣などとスカイプで無料で連絡を取りながら、少ない予算でオペレーションを進め、先日「netsquared(ネットスクエアド)」という団体が主催したビジネスプランコンペで賞金約4500万円を手にし、卒業後も引き続きプロジェクトを進めるそうです。
Frontline SMS:Medic

ビジネス・ウィーク本誌では他にも5団体のスタンフォード卒業生の社会起業家を取り上げていますが、記事のタイトルが示すように、ブル・マーケットである、と感じますね。

「Frontline SMS:Medic」の名前は何度か聞いたことはあったのですが、改めてその中古携帯電話の再利用、そしてオープンソースのソフトウェア利用など、デジタルメディアをうまく利用したところが興味深かったです。日本にも大量の中古携帯電話があるはず。何か出来ないだろうか、とふと思ってしまいました。

タグ:

ウェブと言語・翻訳についての最先端~東京2.0参加しました

2009 年 6 月 9 日 コメントはありません

東京2.0
昨晩は東京2.0というグループが主催するイベントに参加しました。テーマは『Web and Language – ウェブと言葉』で、非常に密度の濃い、レベルの高いプレゼンテーションが8本、シリコンバレーから来日中の起業家の方30名も参加して合計200名以上の有益な時間でした。

*ちなみに次回は7/13 テーマは「クラウドコンピューティング」

その中で非常に興味深かった引用がこちら・・・。

「In the next century….the definition of proximity changes from geographic to linguistic: two countries border one another if and only if they have a language they can use in common.」

(次の世紀には、「近さ」の定義は地理的なものから言語的なものへと変化するだろう。2つの国が使える共通の言語があるとき、その国々は国境を接していることになる)

(Clay Shirky クレイ・シャーキー language network 1999)
Chris Salzberg クリス・サルツバーグさんのプレゼンテーションより

いくらスカイプ、twitterで国境を越えたとしても言語という大きな壁があることで情報、人、やり取りが交わされないのはとても残念。自然言語翻訳の最先端の技術、またオバマ大統領のスピーチを利用した英語学習サービス等、いろいろな試みがあることを知れて参考になりました。

このsocialcompany.orgの存在意義も改めて考え直す機会になりました。単に海外の情報を翻訳、切り抜きするだけでなく、何を選び、何を選ばないか、のテーマを持ち、そこに他で得られないような意味づけ・付加価値を提供できるようなことができれば、と決意新たにする機会でもありました。

タグ:

タイム誌でTwitter特集~How Twitter Will Change the Way We Live

2009 年 6 月 9 日 コメント 2 件

Time誌のTwitter特集記事
またまたTwitterに関しての記事になりますが、今週のTime誌の特集記事がとても包括的にうまくまとめられていたので、とても大まかにですが部分翻訳してみました。

ホリエモンこと元ライブドア社長の堀江貴文さんも先日Twitterを利用開始、4日間で「follow」といって登録している人が既に約8500人以上。すこしずつ日本でも利用が広がるのか?というところですね。

答えはまだ誰も分からないと思います。ただ下記の記事でも述べているように、現在英語が中心に使われているTwitterも日本ならではの使い方、がエンド・ユーザー・イノベーションとして生まれるのだと思います。社会性・公共性高いサービスなだけに、もう少しこのテーマ、追いかけていきたいと思います。

ちなみに、今年の5月にハーバードビジネスレビュー(HBR)が30万人程度のTwitter利用者対象にした調査で分かったことは、「1割の人間が9割のつぶやきを量産している」とのこと。当然個人名でつぶやける人、そうでない人がきっぱり分かれるものの、メッセージを発信したい会社・NPO・キャンペーン、そして個人にとっては有益な情報発信ツールで、多くの人はとりあえず「follow」することで情報収集している、というのがどうやら実態のようですね。
souce:
Long Tail World
Men Follow Men and Nobody Tweets – HarvardBusiness.org

“How Twitter Will Change the Way We Live” By Steven Johnson 2009/6/5 Time
「ツイッターは我々の生き方をどう変えるのか」の記事の”大まかな”部分翻訳
続きを読む…

タグ:

Did you know?・・・将来最も必要とされる仕事は今存在すらしてない仕事

2009 年 6 月 5 日 コメントはありません

昨日友人と話していた際にふと教えてくれたフレーズが気になっていたら、ちょうどそんなことをうまく伝える動画を知人から教えてもらったのでおすそ分けです。バージョンが2つ、2008年秋バージョンと2007年秋バージョン(日本語翻訳付)をお送りします。

主にインターネットなどの情報技術が急速に変化したことで身の回りの生活、世界がどんな風に替わってきているか、をデータや喩を使って分かりやすく伝えたものです。先行き不透明な現在の世の中、現在就業していても、そうでなくても先が見えない人も多いと思うものの、未来志向で考えれば現代に生きていることがチャンスと思えるのでは、そんな風に思わせてくれる5分と8分の動画です。

例えば・・・こんなことが語られています。
・「インド人の高いIQを持つインド人人口の上位25%はアメリカ総人口数を超える」
・「2010年に最も必要とされている仕事上位10は、2004年には存在すらしてなかった職業である」
・「アメリカの労働統計では 平均して10~14の仕事を38歳までに経験する」
・「アメリカで2007年に結婚したカップルの8組に1組はインターネットで出会っている」
・「2億人のユーザー数を持つmyspaceというSNSサイトは人口数でいうと世界で5番目(インドネシアとブラジルの間)」(Faebookも2億人を先日越えたとのこと)
・「5000万のユーザーを獲得するのにかかった年数- ラジオ(38年)、テレビ(13年)、インターネット(4年)、iPod(3年)、Facebook(2年)」*Twitterは先日の発表で3200万人とのこと

タグ:

ITを利用したNPO支援団体「TechSoup」(テックスープ)が日本進出、ソフト等無償提供

2009 年 6 月 4 日 コメントはありません

先日のブログで「最近注目している団体」としてTechSoupとブログに書いたところ、ちょうど翌日、TechSoup Japanの設立の設立記念イベントがあることを教えていただき、幸いにも参加することができました(教えてくださったUさん、有難うございました!)。

TechSoupGlobalは1987年に創立され、サン・フランシスコに拠点を持つ米国の民間費非営利団体で、世界中に23カ国の拠点を持ち、各国のNPO83,000団体に対し、14億ドル相当(1ドル100円換算で約1400億円相当)のソフトウェア製品等の寄付を、パートナー企業の協力を得て提供し、また効果的なIT、ウェブ等のツールの活用方法の情報コンテンツ、コミュニティを通じてのコラボレーションの機会等を提供している団体です。

日本では昨日6/3に、日本NPOセンターがパートナーとして、TechSoup Japanとしてオープンイベントが開催され、メディアの方、NPO業界の方が参加していました。*NPOセンターによるリリース

【プレス記事はこちら】
TechSoupが日本進出、MS、アドビ、シマンテック製品をNPO法人に無償提供」(日経コンピュータ)
MS、アドビなどが民間非営利組織にソフト寄贈 – TechSoup Japanプログラム」(マイコミ・ジャーナル)

日本でのスポンサー企業(アドビ、マイクロソフト、シマンテック社)からの通常高額のソフトウェアが若干の手数料を除き無償提供されるところがまずは直接的にはNPO団体には魅力的な話なのでは、と思います。併せて今後情報コンテンツ・コミュニティ機能も強化されるとのこと、とても期待しています。

netsquared実はTechSoupと併せて興味を持っていたのがこちらのnetsquared.orgというTechSoupのサブ・グループの団体。インターネット・ウェブを利用して社会的な活動に関わること・支援することに興味を持っている人向けのボランティア的なオンライン・コミュニティで、先日開催された大きなカンファレンス・ビジネスプランコンペのようなものの開催をしたり、世界各地で定期的に行われている、「NetTuesday」というようなオフ会イベントを開催しているようです(まだ東京にはチャプターはないようですが、有志が集まれば開催できそうですね。)

最近Twitter、Facebook、デジタル・ネイティブというようなことばかりブログで書いてますが、「社会起業家的な働き方」の延長としてのソーシャル・メディアの利用というテーマを、一つの軸としてしばらく追いかけてみたいと思ってます。NetSquaedがそんな意味で効果的な「場」になるならば、グローバルなリソース共有の機会と併せて面白いかもしれないですね。

ご興味ある方、是非お気軽にご連絡頂けたら嬉しいです♪

タグ:

社会起業ブックフェア 「コレ、社会起業っぽい!」紀伊国屋書店にて始まる♪

2009 年 6 月 2 日 コメントはありません

昨日(6/1)から紀伊国屋書店(新宿南店)で始まった社会起業家ブックフェア 「コレ、社会起業っぽい!」がとても素敵な企画なのでご紹介。

「コレ、社会起業っぽい!」ブックフェア慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 社会イノベータコース × 紀伊國屋書店
社会起業ブックフェア 「コレ、社会起業っぽい!」
期間:6月1日(月)から6月30日(火)まで
場所:紀伊國屋書店 新宿南店5F

[企画・デザイン] 慶應義塾大学環境情報学部 坂崎あゆみ   
[選書・監修]    慶應義塾大学総合政策学部専任講師 井上英之
[協力]       慶應義塾大学 井上英之ゼミ

社会起業家というテーマで慶応大学湘南藤沢キャンパスで教鞭を取られつつ、ビジネスパーソンのネットワーク・インキュベーション組織SVP(ソーシャル・ベンチャー・パートナーズ)などの代表もされている井上英之さんによる監修・選書、そしてこちらの企画・デザインまでを担ったのが井上ゼミ4年生坂崎あゆみさんです。ゼミのメンバーの協力を得て、紀伊国屋書店の方とコラボレーションの結果生まれた企画で、関係者の方の想いがともて込められています。

約100冊、専門書、ビジネス本、絵本、漫画、洋書まであって、眺めているだけでもとても興味深いので是非ざざっとリストをご覧になってみてくださいませ。

企画をされた坂崎さんにより寄せられたメッセージには下記のように書かれています。

「あなたの“社会起業っぽい”本を教えてください」
「あなたはどんな人で、なぜ、そんなあなたがその本を社会起業っぽいと思うのかも、
合わせて教えてください」と、たくさんの方々にお願いして、選びました。

なぜ、そんなお願いをして選書をしたかというと、
「社会起業は、本の中で起きていることでなく、現実の世界で起きていることだ」
というのを、このフェアにやってきた人に伝えたかったからです。そのためには、
「慶應義塾大学の社会起業ゼミが、この本を社会起業の本だと言っています」あるいは
「紀伊國屋書店の社会起業本コーナーが、この本を社会起業の本だと言っています」
と、権威を利用して情報の正しさを一方的に信じ込ませるフェアをやるのは、なんか違和感がありました。

それよりも、何かの機会で「社会起業」という言葉に出会ってしまった私たちが、
ふだん、どんな本にわくわくしているか。
「この本にわくわくしている人間が現実にいますよ!」と言う、
人間の存在を感じることが、
「社会起業は、本の中で起きていることでなく、現実の世界で起きていることだ」を、
何よりも雄弁に伝えると考えます。

ここ最近、「そもそも社会起業家って何?」というディスカッションがいろいろなところで議論され、最近ではcloudgrabberさんのブログ(convisage)で真正面から議論されていて、私も少し自分の思っていることを文字にしてみました。こうした定義についての議論そのものには一定の意義があると思いながらも、ついつい神学論争のように答えが見出しきれてないところが日本での「社会起業家ブーム」の悩ましいところかもしれません。恐らく現在でも人によって捉え方がだいぶ異なるのでは、と思ってます。またそれも自然なのかな、という気がします。

そんな意味で、個人的にはこの「社会起業っぽい」はいい表現だな、と想ってます。私がこのブログで掲げているテーマも「社会起業家『的な』新しいビジネス・キャリアのスタイル」であり、こうした緩やかな定義の中から、むしろ自分が大切にしたい、解決したい問題・課題に向き合うことに注力するきっかけになれば、と思ってます。

ちなみに私が「社会起業って?」「社会起業家って?」と聞かれた際、先日のcloudgrabberさんの議論へのコメントとして、下記のように書いてみました。

「(社会起業とは)社会的な問題を解決する際、ビジネス的な手法・リソースを用いて、持続可能な形で、より直接的に、事業(ビジネス)を通じて、問題解決をすること。またそのような事業を行う人を「他者が見た際に」、その人を社会起業家、或いは社会起業家「的」であるという。」というような認識・印象を持っています。

ちなみに私が最近気に入っている「社会起業っぽい!」本はこちらです。なせそう思うかの理由は改めて・・・

タグ:

Facebookファンドレイジング~NPO3万団体が計約5億円の調達

2009 年 6 月 1 日 コメントはありません

改めてFacebookという会社・サービスをみながら、社会的なミッションに対しての力の入れ方、そのインパクトがとても大きく、気付いたところだけを箇条書きにてupdateしますね。

Facebook CauseFacebook Cause
約2億人のユーザーを持ち、30言語対応をしているフェイスブックの中で非常に多くのユーザーに利用されているのがこの「Facebook Cause(大義という意味)」というアプリケーションです。NPO団体や財団、大学、難病の友人・家族を支援するキャンペーンなど、このツールを使えば簡単に寄付金を募ることが出来るというサービスで、現在約3万のNPOがこのアプリケーションを利用していて、2006年から現在に至るまで、約5億円ものお金が15万ものキャンペーンを通じて集められた、とのことです。Facebookの数あるアプリケーションの中でもこの「Cause」は1800万人、フェイスブック全ユーザーの10人に1人が利用していて、間もなく一番人気のアプリケーションになりそうな勢いでユーザーを増やしています。

先日のNYUの卒業式でもヒラリー国務長官がFacebookの利用を促しながら社会変革を訴えていたように、ここしばらく、こうしたウェブのツールを利用した社会貢献的な活動がますます拡がっていくものと思われますね。

ちょうど先日Facebook Causeに特化したブログサイトが開設されたり、或いは新しく「Cause」を開設するNPO業界向けのセミナーが開催されたりして、非常に盛り上がっている機運を感じます。

vittanafbFUNDというフェイスブックが選ぶベンチャーインキュベーションファンドに選抜された企業が先日20社ほど選ばれたのですが、そのうち2団体はNPO団体、そのうちの1つ「Vittana」という団体はソーシャル・レンディング(個人間融資)の仕組みをサービスにしたものです。kiva.orgが開発途上国の貧困層に対する起業支援を行うのに対し、「Vittana」は、アフリカなど開発途上国の子供に対して、25ドルからの融資をし、学校に行かせるような仕組み作り出している会社です。

*Facebook、新インキュベーターfbFund REVのトップ20社を発表(TechCrunchより)

ちなみにこの会社はアマゾン.comでレコメンデーション機能を開発したまだ若い方が創業した会社で、多くのVC,財団からの支援を受け、kiva.orgの創業者も役員として名を連ねています。こうした生態系があるのがシリコンバレーの醍醐味ですね。

さて、少しずつですがこうしたテクノロジーを利用した社会起業家的な試みが2009年、盛り上がっていくような気がしています。ソシアレBlog・メルマガも少し重点的にこういったトレンドを追いかけていきたいと思ってます。

参考:最近注目している情報源
・TechSoup (http://www.techsoup.org)
・Beth Kanter’s Blog(http://beth.typepad.com)
・Nonprofit Technology Network (http://nten.org)
・Change.org (social entrepreneurship) (http://socialentrepreneurship.change.org)

タグ: